佐渡島は暖流と寒流が混ざり合う風土で
「リンゴからミカンまで」栽培できる
恵まれた気候と、
豊かな自然あふれる島です。
本土よりも冷涼な気候や夏場の昼夜の寒暖差が
佐渡米独特の粘りや旨味をじっくり育みます。
また佐渡の農業は、
トキが棲める豊かな生態系を維持した里山と、
生物多様性を保全する農業の姿が認められ、
世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。
農薬50%減が当たり前の佐渡島で、
たっぷりと手間暇をかけて農作物を育てています。
3月種まき準備
3月
種まき準備
いよいよ今年の稲作が始まります。
「苗半作」という言葉があるように、
丈夫な苗を育てることで
その年の作柄の半分は決まるというくらい大切な苗作り。
種籾を水につけること約2週間。
眠っていた種が少しづつ目を覚ましていきます。
4月種まき/田起こし
4月
種まき/田起こし
金北山の雪が解け「種まき猿」の模様が
山肌に浮かぶのを合図に種まきが始まります。
種まきが終わるとビニールハウスの中で
約1ヶ月間、
田んぼに移植できる大きさになるまで育てます。
また田んぼをトラクターで起こすなど
田植えの準備も始まります。
5月田植え
5月
田植え
春の陽射しをたっぷり浴びて
苗は緑いっぱいにすくすく育っていきます。
雪解け水を流し込んで田んぼをならす「代掻き」が
終わるといよいよ田植え。
田植え1日目の朝は祭りの日のようにワクワクします。
苗一本一本が丈夫に育ってくれることを願いながら
田植機を押していきます。
田植えが落ち着いた5月末、
大豆の種まきの準備が始まります。
6月除草/中干し
6月
除草/中干し
農薬を減らした田んぼでは
苗と一緒に草も生えてきます。
田んぼの中に入り、
苗と苗の間を除草機で除草してきます。
田植えから苗が成長するまでの間は
ほぼ毎日のように田んぼの中を歩きます。
実はこの期間が一番大変です。
そして苗が大きく育ってきた6月後半、
苗の過剰分けつを防ぐために
田んぼの水を抜いて乾かす「中干し」をします。
ヒビが入るくらいしっかりと乾かし、
土の中に酸素を与えることで苗の根が
強く丈夫になります。
またこの時に田んぼの中に溝を作ることで
給水や排水といった水のまわりが良くなり
水管理がしやすくなります。
大豆の芽も出揃った6月末から7月上旬にかけて
大きくなった大豆が倒れないように
大豆の除草も兼ねて苗に土を
しっかりかぶせます。
6月末には小麦の収穫もあります。
黄金色にそまった小麦をスズメが狙って
日に日にスズメの数が増えていくので
頭を悩ませます。
7月穂肥
7月
穂肥
忙しかった6月が過ぎるとホッと一息。
稲の穂が出る前に肥料を追肥します。
それぞれの田んぼの稲の色の濃淡を見ながら
肥料の撒き方を決めていきます。
8月草刈り
8月
草刈り
夏本番を迎え、畦まわりの草がグングン伸びる。
刈っても刈ってもすぐに伸びる雑草の
なんと逞しいことか。
稲の穂が出るとカメムシが集まってきます。
カメムシに吸われると米は黒く変色してしまうので
防除に苦労しています。
9月収穫
9月
収穫
稲刈りに向けてコンバインや乾燥機、籾摺り機など
機械の掃除やメンテナンスに追われながらも
1日1日、穂の様子や天気予報とにらめっこしながら
稲刈りの予定を立てています。
晴れが続いて硬く締まった田んぼでは
コンバインもスイスイ進みますが
雨の翌日や水はけの悪い田んぼでは
コンバインが沈まないかヒヤヒヤしながら
稲を刈っていきます。
刈り取った米は乾燥機にかけて、籾摺りをして
玄米にして袋詰めしていきます。
10月土づくり
10月
土づくり
すべての田んぼの稲刈りが終わると、
来年の米作りに向けた準備が始まります。
籾摺りで出た籾殻と鶏糞などの肥料を
田んぼに撒いてトラクターで鋤込みます。
また水はけの悪い場所はスコップで
水の出口まで掘って土壌が乾きやすくしていきます。
このひと手間が来年の田んぼに影響してきます。
稲刈りが終わってホッと一息つく暇もなく
大豆の収穫と小麦の種まきが迫ってきます。
日暮れも早まり、深まる秋を感じながら
一年一年、一作一作、人と自然に教わりながら
てまひまかけて少しでもいいものをつくりたい
そんな風にやっています。